2008年3月11日火曜日

日本臨床矯正歯科医会





3月5、6日と、日本臨床矯正歯科医会の3月例会に参加してきました。2年ほど症例発表していませんでしたので、久しぶりに症例展示をしました。アンコール賞というのをいただき、秋の静岡大会で20分ほど講演することになりましたが、ちょっと心配です。

日本臨床矯正歯科医会というのは1972年に創立された矯正専門医の集まりで、私も10年ほど前に入会しました。現在、会員数は約500名で、日本で開業しているベテランの矯正専門医の多くはこの会に入会しています。一時はやや閉鎖的な集まりでしたが、ここ10年ほど矯正臨床の普及を目的に積極的な活動を行っています。

ひとつはムック本の出版で、これまで4冊の本を出版しています。主婦と友社や小学館が発行しているため、非常にわかりやすく、おもしろいムックになっています。当院でも初診患者に差し上げていますが、好評です。写真上が一番新しいムックです。値段の割に内容が充実しており、いい本です。近くの本屋で売っていると思います。また3年ほど前からブレーススマイルコンテストというものもしています。矯正治療は恥ずかしくない、もっと堂々としようというコンセプトで矯正治療を受けている患者さんのスマイル写真を募集するものです。みんな明るい表情をしています。また各地で市民セミナー(広報キャラバン)というものをしており、矯正知識の普及に努めています。

この会の一番の特徴は、患者さんの転医制度が確立している点です。春のこの時期になると多くのひとが転住します。矯正治療は長くかかるため、場合によっては治療継続のため転医が必要になってきます。この会では専用の用紙も完備しており、治療費の清算もきちんとしていますし、何より経験豊富な先生が多いため、転医しても治療レベルが落ちることはありません。また会員の先生も非常に優秀で、フランクな先生も多く、勉強になります。矯正歯科というのは独特なもので、私たちは自分のことをDentisitとはいわず、Orthodontistと言います。以前三沢の米軍基地を訪れたとき、歯科診療所には5名ほどの歯科医がいました。一般歯科の先生が3名、口腔外科の先生が1名、矯正歯科の先生が1名です。矯正歯科の先生と雑談しても、一般歯科の先生は全く内容がわからないようでした。新発売の製品や治療法については、日米ほぼ同時に発表されるため、話題もついそのような内容になっているからなのでしょう。

学会の途中に友人と浅草演芸ホールに行って落語を聞いてきました。初めてです。夕方の5時頃から9時頃まで聞いていましたが、あれで2500円は安いと思いました。ただ落語家というのはかわいそそうで、20名ほどの芸人がつぎつぎ高座に立つ訳ですが、実力が一目でわかります。二つ目、真打ちとは関係なく、落語家自身の実力が比較されます。おもしろくないと誰も笑わないし、席を立ち、たばこを吸いにいってしまいます。

この中で 柳家さん喬 というひとが群を抜いていました。「そば清」というそばの大食いの演目でしたが、いきいきと場面がイメージされます。また高座の姿勢や態度もきちんとしており、本格的な落語の技量をみた思いです。テレビなどではあまり見たことがないのですが?、将来必ず名人になるひとだと思いました。HPをみると、人情ものも得意のようで、なるほどと思いました。人情ものは本当にむずかしく、普通はあまり挑戦しません。古今亭志ん生の「しじみ売り」という人情ものを聞くと、話芸のすごさがわかります。柳家さん喬さんの今後を期待します。

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