2011年1月28日金曜日

明治2年絵図印刷


 明治2年弘前絵図は、ようやくデジタル化できたので、全体図、部分図、本文図の3つのファイルに分けてCDに入れることにした。全体図はこの前、やまと印刷で撮影してもらったもので、全体図から拡大できる。部分図は私が以前、手持ちのカメラで部分ごとに撮った写真で、全体図よりさらに強拡大ができる。また本文図は、本に載せる予定の図で、白黒ではなく、カラーでみることができる。全部合わせても、Jpegで何とか、300MBくらいにできたので、CDに収めて、本の付録にする予定である。

 本とは別に、折角デジタル化したのだから、印刷したものを作ろうと思い、インターネットであちこちの大型印刷のできる会社を検索した。一番安いところがB0版で一枚4600円だったので、2枚注文した、こういった細かい文字のデーターはオフセット印刷の法がインクジェット印刷より適しているが、オフセットは100枚、300枚でも費用はそんなに変わらず、まして10枚程度の印刷には向いていない。

 本日、印刷が上がってきたが、B0の大きさであれば、細かい部分もきれいに表現でき、満足いくものであった。そのうちの一枚を早速、病院の壁に貼ってみたが、やはり地図というものはコンピューターで見るのも便利だが、こうした印刷したものの方がやはりよい。20枚以上印刷すれば、一枚1650円くらいまでなるので、インクジェット印刷である程度の枚数を印刷してもいいかと考えている。ただ折り曲げずに送ろうとすれば、ゆうパック代1120-1680円(10個以上)とダンボールボックス代220円を足すと、全部で2990-3550円くらいにはなりそうで、高い。折り畳むとかなり安くつく。もう少し調べて、希望者がいれば募集してもいいかと考えている。

 図書館などで閲覧する場合は、地図の実物は破損の可能性もあり、こういったコピーを閲覧することになるだろう。本とは別に、地図のコピーについても必要数を考えてみたい。

 話は変わるが、うちの母親が先日、徳島近代美術館を訪れたと電話で言っていた。何でも若い時に徳島県出身の画家河野太郎さんの作品「婦人蔵 井川悦子像」のモデルになり、その絵との対面に行ったようだ。本作は美術館にあり、それより小ぶりの習作は自宅にあり、以前母親の個展をここで開催した時に本作と習作を一緒に展示したこともある。前の館長がいとこなので、そのつてで今回、収蔵室まで現館長、職員一同と一緒に案内されたようで、厳重な扉を何度もくぐった上、収蔵室に入れてもらった。年間を通じて湿度50%、温度20°に保たれているようで、その厳重な保存環境に圧倒されたようだ。古い作品ではあるが、修復もきれいになされ、改めて美術館の役割を認識したと言っていた。作品を集め、展示するだけでなく、それを最高の状態で保存するのも美術館の大きな役割で、そういった意味で、美術館というのは建物だけでなく、維持費もかかる。自分の名前がついた作品は今後100年たっても残ると聞いて喜んでいた。

 一方、美術館の収蔵品の多くは、展示されることはなく、単に保管されているだけの場合も多いと聞く。市民からの寄贈品はありがたいが、集客性の点から、あるいは展示スペースの点から死蔵する場合も多いようで、高知県立文化会館の場合、収蔵品の57%は5年間一度も展示されなかったという報告もあり、問題となっていた。ただ美術館、博物館の本来の目的が展示と収蔵ということを考えると、必ずしもすべての作品を展示する必要もないし、また集客性から収蔵物を決めるというのもおかしい。個人の住宅では、作品の色あせ、かび、破折などの危険性のほか、火災や地震などによる消失も考えられる。こういったことから作品を守るのが公的博物館、美術館の使命であろう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。弘前に縁のある者です。
「明治2年弘前絵図」とても興味あります。ぜひとも募集して頂きたいです。(3000円前後でしたらそう高いとは思いません。それくらいの価値があると思いますので。)
また、本も楽しみしています。

広瀬寿秀 さんのコメント...

B0サイズくらいで印刷すると原画の印象が残ります。B4くらいまでにするには4回くらい折り畳む必要があります。できれば折り目なしでお送りしたいので、そうすれば運送費がかかります。弘前にお住まいの方でしたら、印刷費の1500円くらいになります。予約して販売したいと思います。