2011年6月5日日曜日

山田兄弟36


 ふれーふれーファミリーの一條敦子さんのご尽力で、山田兄弟のマップおよび解説のパンフレットが出来上がりました。日本語と中国語の2種類のものがあります。貞昌寺や在府町の生誕地など山田兄弟関係の史跡と簡単な説明を裏表にカラーで印刷した立派なものです。山田兄弟についての、こういった弘前からの発信は初めてで、大変うれしく思っています。

 今年は、辛亥革命100周年の記念の年で、中国では大規模な記念講演や辛亥革命博物館、記念講演など目白押しな行事が予定されていますし、台湾でも同様です。日本でも梅屋庄吉の故郷、長崎県では県が積極的にPR活動をしていますし、宮崎滔天の故郷、熊本の荒尾市でも市を挙げて一生懸命活動をしています。

 山田兄弟の故郷の弘前市は今年弘前城築城400周年のまっただ中で、かつ東日本大震災こともあり、辛亥革命100周年については全く意識にはないようですが、それでもこうしてパンフレットができたことは意義があると考えます。とくに中国語で作られたことは、中国、台湾からの観光客への活用もありますし、広い意味では中国、台湾への弘前の宣伝にも一役立ちそうです(解説が繁体字で、マップは簡体字のため、中国人観光客からすれば解説はやや読みにくいようですし、台湾からの観光客にはマップが読みにくいようです)。

 孫文は年少期をハワイで過ごしたため、書は必ずしも得意ではなく、今見ても孫文の書はそれほど達筆ではありません。請われると揮毫したため比較的多くの書は残されおり、よく「天下爲公」、「博愛」といった字を好んだようです。それでも孫文自ら考え、揮毫した墓碑銘、碑文は中国でも案外少ないように思えます。専門家に聞きたいものです。その珍しい碑文が弘前にあるのです。これには多くの中国人、台湾人はびっくりします。例えば、アメリカの田舎に旅行したところ、西郷隆盛が揮毫したアメリカ人の碑があったようなものです。なぜ、こんなところに孫文の碑があるのかというのが単純な疑問です。さらに台湾の観光客からすれば、隣に蒋介石題字、何応欽大将筆の碑があるからなおさらです。

 こういった碑があるから、観光客が来る訳ではありませんが、中国、台湾のテレビ局からすれば、おもしろい材料で、それを軸とした弘前を取り上げる番組を作る可能性もあります。東京から函館、札幌に直行させずに、ちょっと脇道に来てもらうためには、こういったプラスアルファーが必要です。

 すでにこのパンフレットは、東京の知人T氏のご尽力で、台湾駐日大使館に当たる、台北駐日経済文化代表処に手渡され、観光局などの関係各位にも見てもらったと思います。その際、T氏が弘前観光の宣伝もした方がよいと言われ、弘前市の観光課に行き、弘前観光DVDをもらって来ましたが、これがなかなかよくまとまっていましたが、中国語の解説があればもっとよかったと思います。

 今年は、辛亥革命100周年記念映画として、ジャッキーチェン主演の「1911」という大作ができました。秋頃に公開予定で、孫文の軍事的な片腕黄興が主役で、おもしろそうです。山田純三郎と黄興は仲がよく、黄の子供を膝に載せて撮っている写真があり、その親密性を表しているようです。純三郎も一シーンでも出てくれればよいのですが。

 写真はおそらく神戸での孫文講演前の写真ですが、孫文の前にいるのが山田純三郎で、隣が宮崎滔天だと思います。

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