2012年10月17日水曜日

私の読書




 私の場合、年間の読書量は200冊くらいになります。週に2、3回、近所の紀伊国屋書店に寄って、数冊ずつ買ってきます。ちょっとした本中毒に近いでしょう。

 子供のころは本が好きで、小学校の図書館では伝記ものやルパンやシャーロックホームズの探偵ものが好きで、夢中になって読みました。ただ高学年になると中学受験で忙しくなり、その後、中学、高校はサッカーばかりしていましたので、読書は年に数冊といったところでしょうか。

 ところが現在、龍谷大学で心理学の先生をしている松谷徳八先生と出会うことで、再び読書熱が再燃しました。兄が歯科大学入試のために、松谷さんに家庭教師を頼んだのがきっかけでうちの家に出入りするようになり、私もそれならついでにということで高校2年生から卒業まで家庭教師をしてもらいました。主として英語を教えてもらっていましたが、まず英字新聞のコラムを読み、その感想を述べるという形式でした。確か朝日イブニングニュースだったと思いますが、その新聞の社評の欄をまず辞書なしで読ませ、その後辞書を使って訳すのですが、もっぱら授業内容はその内容についてのディスカッションでした。しばらくするとディスカッションのやり方がわかり、最初に社評の内容を全面的に否定し、そこから議論していきます。こういったことを2年間毎週しましたが、はっきりいって入試には全く役に立たず、あえなく撃沈した。その後、大阪YMCAで正式な受験勉強をして大学に入りました。

大学入学後は、松谷さんから100冊以上の必読書を推薦され、1年かけて読みました。経済学、経営、心理学、小説、歴史あらゆるジャンルの本で、それを英字新聞と同じく、線を引いて読み、批評しました。今考えると、碩学の著者が時間をかけて書いた本を、批評するという浅はかな行為でしたが、本を読む習慣はできた気がします。さらに映画も出来るだけ見るように言われたので年に100本以上見ましたが、今でも思い出の映画はこの当時見た映画が多いと思います。さらに大学2年生の夏休みには松谷さんからインドに一緒に行こうと誘われ、1か月ほどインド、ネパールを廻りました。この旅行はインドの物価安を利用した大名旅行で、ウダイプールのレイクパレスホテルのエリザベス女王の泊まった部屋、ジャイプールのマハラジャホテルのジャイマハールパレス、世界一高いところにあるエベレストビューホテルに泊まったかと思うと、20ルピーの安ホテルに泊まったりしたため、ジェットコースターのような旅行でした。最高級のフランス料理のフルコースで2000円くらいだったので、よく食べましたが、その後、日本の高級レストランでもびびることはなくなりました。翌年には外国人に初めて解放された中国にも行ってきました。

 ある日、家族、松谷さんとテレビを見ていると、インドから帰国した旅行者が天然痘の疑いで隔離され、現在、その同行した旅行者の行方を探していると報じられていました。その時、松谷さんが「俺のことや。まるで殺人犯の指名手配のようやな」とこそっと言った時には、さすがに引きました。飲んだコーヒー茶碗は誰もさわらない。大阪まで私も買い物があり、一緒に電車に乗った際もその話をしていると、隣の一人が席を立ち、さらに隣も、前のひとも次々に席を立ち、廻りに誰もいなくなった思い出があります。

 大学時代は、もっぱらサッカーと読書、映画の毎日で、サッカー、映画は引退しましたが、読書は金に不自由しなくなると、ますます買う量が増えてきます。基本的には読んだ本はすぐに捨てる方針ですので、最近は記憶力の低下とともに、一度読んだ本をもう一度買ってしまうことも度々です。前は1ページで気づいたものでしたが、最近は半分以上読んで気づくようで、症状は進行しています。

 今日買った本は、「百年前の日本語 書きことばが揺れた時代」(今野真二著、岩波新書)、「別冊正論 日中国交40年汚辱と背信の系譜」(産經新聞社)、「医療が日本の主力商品となる」(真野俊樹著、ディスカバー携書)、「舟と編む」(三浦じゅん、光文社)。全くランダムです。最近、一番お勧めできるのは、漫画「砂の栄冠」1−5(三田紀房、講談社)。これは甲子園野球をへえーと思わせる好著です。

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