2013年7月6日土曜日

韓国の悲劇4

 中国にとって韓国という反共国家は、陸続きの大陸としては、のど仏に刺さった刺のようなものだった。ここに強力な米軍基地があることは、有事の際に、直接首都北京の攻撃も可能であり、とりあえず北朝鮮という共産主義傀儡国家が干渉地帯とあっても安心できない。
 ところが盧 武鉉という反日、反米の大統領が登場することで、反共のパワーが反日、反米に移り、駐韓米軍の縮小、将来的な撤退につながった。さらに日本との関連もマスコミも含めた徹底した反日主義となり、敵対した。その結果、次の大統領李明博さらには現大統領朴槿惠も、その考えとは別に親日的な態度はとれない状況になっている。

 すでにアメリカは韓国を捨て、軍事防衛ラインを沖縄、日本に連なる第一ラインに移している。将来的にはグアムまで後退した第二ラインまで後退する可能性もあるが、中国海軍、ことに潜水艦のことを考えると、東シナ海においた方がよく(大陸棚で深く潜航できず、発見しやすい)、当分このラインが防衛ラインとなる。尖閣列島および沖縄の問題も、中国政府としては是非突破したいところで、第二ラインまで防衛ラインを下げれば、前方に広大な太平洋が視野に入る。

 一方、韓国においては、駐米軍の脅威がなくなったことで、次の段階として、経済的に韓国を友好国化させ、そして済州島に海軍基地を設け、属国化していった上で、親中的な統一朝鮮を樹立させる。この段階になると、日露戦争開戦前のロシアが中国に置きかわった状況となり、中国の脅威がすぐそこに現出する。そして核兵器を持つ親中国家、統一朝鮮が誕生する。もともとこの国の宿命として、長い歴史の朝鮮王朝の全く不毛な派閥闘争がある。朝鮮併合により韓国人が被った実際的な被害より、中国の介入で統一ができなかった朝鮮戦争の方がはるかに死者数は多い。ところが、実際の被害より、日本に併合された事実の方が恥で、優先される。ましてや隣国に狂った北朝鮮という国と隣接する状況で、政治、思想が異なる中国と組む危険性を全く把握していない。すでに日本と組むという普通の考えが政治闘争で出せない状況となっており、うっかり友好をしゃべると土下座して謝罪させられる。政治、議論が国の方向を完全にゆがめている。

ここまでが2ちゃんねる東アジアニュースのまとめである。

 “「慰安婦」問題とは何だったのかーメディア・NGO・政府の功罪”(大沼保昭著、中公新書)は読み応えがある。何より著者の怒りの文であるため、その指摘は鋭い。著者は年配の慰安婦?、この定義には問題があるとしても、その生活保障をしようと「アジア平和基金」を設立するが、韓国では、完全にイディオロギー化、政治問題化してしまい、償い金をもらった元慰安婦は売国奴扱いされた。これにより、インドネシア、台湾、フィリッピンについてはある程度解決し、中国においてもこれを契機に対日賠償問題が問題化して、国内の不安定かを恐れた。韓国を除く、他の国では、いずれも現実的な解決法をとった。そういった意味では、尖閣諸島の問題も、棚上げ論云々ではないが、大きな利益の前には小事は無視するという現実的な選択を日中国交回復当時の両国の首脳がとった。ところが石原元都知事による東京都が所有しようというばかげた意見から、民主党の国有化に繋がってしまった。中国側から騒ぎを起こしたのは日本だという主張はある意味正しい。さらに日中首脳会議も安部首相は中国側が会談の前提として「尖閣問題」を唱っていると暴露してしまった。これは中国からすれば恥をかかされたことになる。何でも話せばいいものではない。将来的には中国も民主化され、現在の台湾のような国家になってほしいが、エジブトのように急激な民主化はかえって不安を煽るため、じっくり見守っていくべきであろう。中国はあまりに広く、人も多い。大躍進の頃の話でも、成果を達成するため、餓死者が出ても、過生産という官僚がいる一方、農民の悲惨な状況をみて、それはうそだと主張して、殺される官僚もいる。「史記」の世界は今でも続いている。


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