2013年11月3日日曜日

弘前の外国人向け観光


 以前に比べると、日本への海外からの旅行者は増え、もう少しで年間1000万人に達する。それでもフランスへの観光客が年間8000万人、米国や中国でも6000万人と比べると誠に少ない。日本には、美しい四季の景色と文化、そして安全性という条件が揃っていながら、これでは少しさびしい。

 アメリカの友人が、知人からアメリカのボストンから知人の両親が来るのだが、どうしても仕事の関係で一日、弘前を案内してほしいと頼まれたと言っていた。一日くらい、全く言葉も通じない国で、冒険してもよかろう。色々な人に道を聞き、あちこち行くのも面白く、思い出になるのではないかと尋ねると、アメリカでも60歳以上の年配の人は、誰かが案内しないと動こうとはしないらしい。

 アメリカ人と言えば、場末の変なところに出没し、あちこちに顔を出すように思われるが、意外と年配のひとはシャイのようである。その点、日本人の方が、むしろ年配の人でも好奇心が強く、ヨーロッパに行ってもガイドブック片手に、地元民でも知らないところに行く。

 確かに言葉の問題もあるとは思うが、それ以上に何か得体のしれないところに行くのが怖い感じがする。若い時は、何か面白いところ、新しいところに行きたい欲求が強かったが、歳をとると、旅行の目的が気分転換、ストレスの解消という面が強く、訳のわからないところには行きたくない。その点、旅行先に知人がいると、旅に伴うストレスがほとんどかからず、楽な旅行ができる。そういった点ではパック旅行もあるのだが、どうも団体で一緒に行動するのもストレスとなる。

理想的には夫婦で旅行し、旅先に知人がいて、その土地の穴場を案内してもらうのが、楽でいい。まして海外に行くとなると、出発から帰国まですべて案内してょしい。こういった点で、日本は欧米の観光客、メインはオールドの夫婦に焦点を向けると、未だに敷居は高い国である。私などは旅行に行くとなると、ホテル、旅館も結構いいところを探すが、この点、欧米人はけちで、比較的安い宿泊先を、おみやげ、食べ物も安いものを探す。これは金がないということではなく、別にいいところに泊まる必要はないと考えるからであろう。むしろ日本人の方が、せっかくの旅行なんだから、普段より贅沢をしようとする傾向がある。

 弘前でも観光に力を入れ、“弘前 観光”で検索すると、弘前観光コンベンション協会に繋がる。そして中を見て行くと、ガイド付きコースとしてさまざまなルートが紹介されている。実際、こうしたコースを体験した人の評判はいい。私もアメリカから来た観光客に「津軽の奥日光・岩木神社と高照神社めぐり」を利用したが、満足のいく旅であった。それでもこれだけでは弘前を満喫したことにはならない。出来れば個人的な旅のアテンダントがガイドしてほしいところである。

 弘前市が認定した個人ガイドを顔写真付きでHP上で紹介し、旅行の前からメールで旅行プラン、ホテル、食事も含めて相談し、駅に迎えに来てもらい、ホテルに帰るまですべてガイドする。英語、中国語ができるガイドもいればよい。人数に関係なく、一日5000円、50ドルくらいが限度で、学生、退職者がガイドに向いている。ガイドには利用者のレビュー、評価も付けるのもいいかもしれない。旅行前から旅の相談に乗るのがミソである。この過程で、ガイドへの信頼が増し、最初に言ったような知人の関係となろう。できれば、観光ガイドには免許書を発行し、市内の施設の入場は無料、さらには飲食店も割引があってもよい。

2 件のコメント:

毛利 精悟 さんのコメント...

知人の紹介で読ませていただきました。
外国人の弘前観光へのご提案、同感です。
弘前市は日本的な観光名所が多いし、学生も多い。
パーソナルな『旅のコーディネイター』がもっと増えてくれると良いですね。
毛利

広瀬寿秀 さんのコメント...

弘前にはairbnbという個人でやっている宿泊もあるようです。いろんなモデルケースを提示し、函館に負けないような観光地になってほしいものです。