2014年7月8日火曜日

Statim 2000 その2







 Statim2000が医院に入り、1週間が経過します。衛生士がおもしろいのか、しょっちゅう可動させています。うちの場合、これまで乾熱と薬液消毒でしたので、薬液消毒の分をオートクレーブにまわしているようです。薬液消毒は簡単でいいのですが、残留成分や発生ガス、廃棄の問題もあり、将来的にはなくなる方向になると思います。ハンドピース、器具を超音波洗浄し、軽くふいてからカセッテに入れます。

 スィッチを入れると、3回ほど真空と高圧蒸気の圧入を繰り返し、その度にギューンという音がします。内部を真空にするためハンドピースの中まで滅菌できます。その後、排気が始まりますが、機械後方のチューブから高温の蒸気、水がブヒブヒと大型の排気ボトルに流れ込みます。ここには前もって冷却用の水とコイルが入っているため、冷まされて水となります。5分ほどで乾燥行程に入りますが、スタッドドライプラスというものをカセットに吹き付けると乾燥が早くなります。1回の使用で10回くらいはもつようです。裸で器具をいれた場合は10分くらいで乾燥します。すぐに使えるかというと、熱くて持てませんので、さらに数分カセットを開けて自然冷却します。都合20分くらいはかかりそうです。これでも通常のオートクレーブに比べればかなり早い方ですが、次の患者さんの治療器具を直前に用意するのは難しいようです。

 本体自体はかなり小さく、ほとんど熱も発生しませんので、棚の中に収納ができますが、排気ボトルが意外に大きくて、これの置き場所を工夫しないといけません。また使用する水は蒸留水と指定されており、それを作るアクアスタットという装置がおまけについていました。これはさらに大きく、また蒸留水を作るのに6時間かかり、その間、狭い部屋なら蒸し風呂状態となりますので、注意が必要です。ただ眼科領域では毎日、水の交換が求められますが、歯科ではなくなったら補充ということですので、まだ1回しか交換していません。

 通常のサイクルでは、60分の乾燥行程が終わると、ブザーが鳴って機械が止まりますが、実際は10分くらいで停止ボタンを押します。60分の乾燥行程は、停止ボタンの押し忘れ防止のようなもので、60分も乾燥させることはありません。日本製品ではありえないようなシステムです。日本製なら、もう少し細かな設定がありそうですが、この装置は乾燥行程を手動で決めます。

 消耗品のゴムパッキングは確実に500サイクルまたは6ヶ月で交換となります。うちの場合は、使う器具は少ないので大体一日2回くらいなので、1年はもつと思います。11000円かかります。また蒸留水精製器は水道水の塩素などが結晶で溜まるため、どこかで故障します。台湾製のメガホームという精製器が評判よく3万円くらいなので、これに替えればいいでしょう。

 まだ使って1週間なので、ハンドピースの滅菌に適しているかは、何とも言えませんが、専用機とは違って、お持ちのオートクレーブの補助的なものとして使えるようです。

 ついでに口腔外バキュームについて欧米のメーカーを調べましたが、1機種のみで、水銀汚染防止を狙ったものでした。欧米ではまだアマルガムが使われているのか、ユニット内の水銀トラップや水銀蒸気から患者、ドクターを守る口腔外バキュームがあります(Dent Air Vac)。感染予防というのはおまけのようなもので、ほとんど普及していないようです。日本の外来環境加算に口腔外バキュームの設置を義務つけられたのは、誰かの陰謀なのでしょう。


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