2014年8月12日火曜日

日中首脳会議


ようやくASEAN関連外相会議において、中国の王穀外相と日本の岸田外相が会談し、11月のAPEC首脳会議での日中首脳会談の地ならしが行われた。近年、日中間は緊迫し、一歩間違えると局所的な衝突がいつ起こってもおかしくない状況である。アジア地域の平和と繁栄に向けた協力が求められる。

中国側の要求はずばり二つ。安倍首相の靖国参拝の中止と尖閣列島の棚上げである。この要求を飲むには国内世論の抵抗はあろうかと思うが、絶対に無理な要求ではあるまい。

議員の靖国参拝を見ていると、どうもニワカ靖国参拝派が多いのが気になる。肉親に先の大東亜戦争で亡くなった人がいて、子供の頃から靖国神社に参拝していたなら、いたしかたないが、議員になってから選挙のために参拝していると思われる議員も多い。そもそも顔が知られていない議員が通常の参拝者に混じって参拝しても話題にものぼらない。新聞で参拝が報じられるのは、前もって新聞社に参拝する時間を伝え、記事にするように段取りしてから参拝する、一種の売名行為である。何も参拝しなくても心の中で国のために犠牲になった英霊を弔えばよい。

尖閣列島の棚上げについても、石原慎太郎のばかな都有化に端を発したものであり、それ以前は確約がなかったものの、棚上げの状態であったのだから、状況を元に戻すだけのことである。国有化が変更できなければ、自然保護地区にして人工の灯台や軍事基地を立てないという方法もあろう。もともと尖閣列島は仮に自衛隊が基地を作るとしても全く防御はできない地形で、攻撃されれば一瞬で壊滅する。島への攻撃よりは人員の損失が戦争のきっかけとなる。

もし先の大東亜戦争において日中戦争がおきなければ、靖国に祭られている英霊の多くは助かった可能性もあり、ソビエト共産党の策略に乗っかったという意見もあろうが、満洲国樹立までにしておかなかった軍部の野心が主たる原因であろう。安倍首相も先の靖国参拝で不戦の誓いを立てたなら、日中両国の紛争を招きおこしかねない再度の靖国参拝はやめてもらいたい。参拝がなかったとしても、靖国に眠る英霊は許してくれるだろう。

日本の外交上の中国戦略目標は、隣国に友好的な民主国家を作ることであろう。ソビエト崩壊のような急速な革命による民主化は多大な混乱を招くだけであるので、ゆっくりした民主化が望ましい。アメリカ型民主主義があるように、日本式、中国式民主主義があってもいいはずで、一党独裁を維持したままの民主化、民主選挙と報道の自由、汚職の追放、厳しい税制(累進課税)なども可能かもしれない。隣国に日本というモデルもあるし、うまく民主化の進んだ台湾の例もある。いわば中国の台湾化というやり方もある。さらに環境問題は単に中国国内だけでなく、日本にも大きな影響を及ぼす問題であり、日本が協力できる分野は大きい。

安倍首相も東京谷中の全生庵で座禅を組み、心を鎮め、そこにある山田良政の碑をよく読んでいただきたい。日中和平の想いは、中国にも伝わり、そのシグナルに対するあちらの反応を待つのもよかろう。戦前、中国民国政府が南京、中山陵に山田良政の碑を建てることを議決した。実際に建てたかは現時点では不明であるが、破壊されものの再建であろうと、新築であろうと、中山陵に山田良政の碑があることは、重要である。そして日本首相がそこに訪問することは、台湾、中国、日本のトライアングルにおける共通した想いの象徴となろう。

写真は百度から拝借した写真だが、ここ数年、山田兄弟に関する資料が飛躍的に増えており、関心の高さがわかる。


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