2015年12月5日土曜日

アメリカ人の肥満がすごい

左から平均的な30歳代アメリカ人男性、日本人、オランダ人、フランス人
 日本食が健康にいいと、世界中で大人気である。とりわけアメリカでは肥満が大きな社会的な問題となり、インテリを中心にヘルシーな日本食が一般化している。どれだけアメリカ人が太っているか調べてみた。

 日本人男子の平均身長は172cm、体重は64kg、女性は158cm53kgであるのに対して、アメリカ人の平均身長は178cm、体重は87kg、女性は163cm74kgとなる。確かにアメリカ人は日本人に比べて男女とも大柄であるが、それにしても体重差が大きい。私は身長176cmで体重は78kgであるから、日本人の中では相当小太り体型で、いつもメタボと指摘されるが、アメリカ人の中では平均より少なく、むしろやせているようだ?。

 さらにウェストをみると、アメリカ人男性の20歳の平均は92.5cmで年齢が上がるにつれ増加し、70歳台で最高となり、平均で106.8cmとなる。女性では20歳の平均が95.2cm60歳で99.8cmとなる。黒人女性では20歳の平均は何と100.7cmとなり、40-59歳では103.1cmとなる。これは”Anthropometric reference data for children and adults: United States,2007-2010”という政府の公式な調査であり、最初はこの数値は間違いかと思ったくらいだ。特に女性のウエストの値には驚いた。ちなみに日本人男子では20歳代の平均ウエストは72.9cmで、40歳台で85.4cmとなる。女性では20歳台で67.0cm40歳台で71.1cmとなる。アメリカ人と比べると日本人男性は身長では6cm低く、体重は23kg、ウエストは20cm小さく、女性では身長は5cm低く、体重は21kg、ウエストは何と22cm小さい。身長の差以上に体重、ウェストの差が大きい。

 ビヨンセのものまねで有名な渡辺直美さんの体重は95kg、ウエストは115cmだそうだが、アメリカ人からすれば、それほど太っていない。いずれにしてもアメリカ人の肥満は深刻で、上記の2010年の値よりここ数年でさらにウエストで3cm増加したとの報告もあり、女性でウエストが100cmくらいが標準となろう。私の周りにも妻も含めた多くの女性がいるが、なかなかウエストが100cmを越える日本女性はいない。


 こうしたアメリカ人の肥満は、同じ白人でもヨーロッパに比べても突出している。色々な原因はあろうが、一番大きな理由は食事であろう。農業革命により安定した効率的な穀物栽培が可能となり、炭水化物を中心として価格が下がった。そのため30年ほど前からアメリカのレストランは、価格を下げるのではなく、量を増やすことで、販売競争をした。同じ2ドルでも前より1.5倍量が増やすというやり方である。いっとき日本でもコカコーラーやファンタなどアメリカ系企業がそうした戦略をしていた。ところが日本ではこうした量を増やす戦略はあまり当たらず、自然に消滅していった。かわってマクドナルドの100円バーガーや吉野家の牛丼など値引き合戦の方向に変わった。一方、アメリカではこうした量を増やす戦略があたり、ほとんどの外食産業がこの方向に向かった。さらに量を増やすことでかってのLサイズがMサイズとなり次第にSがなくなり、MLLサイズと同じ量となった。こうした状況は学校内にあるレストランでもそうで、子供達は小さいころから大食いとなる。2030年前に比べるとすべての料理がMからLLサイズに増量された。こうした傾向は貧困層で、より顕著であり、生活保護に相当する貧困層では、日本と違い、金で支給されず、食品クーポンで支給されるため、安価でボリュームがあり、カロリーの高い食品を購入することになる。その結果、貧困層では富裕層より肥満率は高くなる。インドやポリネシアン諸国とは逆の現象となっている。富裕層ではトレーニングジムに通い、日本食のようなヘルシーな食事をとることで、体重増加を押さえている。

0 件のコメント: