2017年5月20日土曜日

アナログの逆襲

 私が生まれたころは、もちろんスマホもパソコンもなく、電卓すらなかった。家に電話もないところも多くあり、社会からの情報はテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、本から、人との情報交換は直接会うか、手紙がメインであった。確かに電話はあったが、大人がよほどのことでないとかけないものと思っていたので、家で電話が鳴ると、何かあったのかと緊張した思い出がある。また電話で顔が見えないで話すことは、なかなかできず、大学に入っても、電話をする場合は、あらかじめ話す内容をメモしてから電話したものである。

 それでも人々は何の不自由もなく、時間はかかるかもしれないが、待つ時間も楽しいものである。恋人同士が毎日手紙を出し合うというも不思議ではなかったし、そうした手紙の交換で相手の本来の人格を知ることもできた。さらに友人同士になると、電話や手紙などのまどろっこしいことはせず、直接会った方が早いので、始終、友人と何をするではなく、一緒にいた。

 調べたいことがあれば、まず本で確認するか、人に聞くというのが一般的であった。例えば、冠婚葬祭のしきたりがわからない場合、今ではパソコン、スマホであっという間に検索できるが、昔は近所や親類に手紙、電話あるいは直接会って聞いた。こうして得た知識はしっかり身に付いたが、パソコンで調べたものはすぐに忘れる。

 私が始めて自分の電話を持ったのは、大学三年生でアパート回線を敷いてマイ電話となったが、彼女もいないので一週間に一回くらいしか使わず、公衆電話で良かったと思った。さすがに彼女ができると重宝したが、それでも長電話は彼女の家の電話を占拠するので、親からは怒られた。

 その後、電話のみの時代は、開業する1995年まで続いたが、特に問題はなかった。インターネットを敷いたのが1995年だから、今年で22年目となる。1985年くらいからコンピューターは使っていたが、主として仕事用で、回線を利用するのは、バッジといって大学の大型コンピューターを利用する時だけで、かなりややこしい手続きをして使った。1995年当時は回線も遅く、主として文の検索、メールがメインで画像、さらに動画などは全く無理だった。

 携帯電話になるとさらに遅く、こんなもの今に廃れると考えていたが、仕事の関係上、1990年ころにラクラクホーンをようやく買った。ただほとんど利用せず、2010年にI-phoneに変えたが、今でも週一に電話する以外はほとんど利用していない。

 一方、社会のIT化も、ようやく歩みが遅くなり、最近ではアナログ派も勢いづいてきた。例えば、レコード、一時は全くなくなると思っていたが、若い人を中心に流行ってきており、東京では中古レコード屋も多くなった。また習字、手紙を書く、手芸など機械を使わない手ですることも少しずつでありが、若い人にも興味をもたれようになっている。


 こうした流れはこれからもアンチITという方向とは関係なく、さらに発達するように思え、ITによる便利さは維持しつつ、手作り、アナログのものも生き残るであろうし、さらに昔、流行ったものも復活するかもしれない。先に述べた近所のおじさんの盆栽もそのまま、50年間、子供が継続して育てておれば、今や高値がついただろう。フィルムカメラ(1000円くらいデジタル化してくれる)、8mmカメラ(Koadak Super 8 Camera, 2017発売?)、インスタントカメラ(ライカゾフォート、2016)もまだまだ健在である。

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