2018年5月13日日曜日

迷宮グルメ異郷の駅前食堂




 お笑いのヒロシさん。最近はあまりテレビに出ていませんが、好きな芸人の一人です。彼は少しとぼけた感じで、ハンサムな風貌ですが、どこかあか抜けていない田舎の臭いを持っています。こうしたキャラが十分に生かされているのが、BS朝日の「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」という番組です。毎週、金曜日1024分から放送されていますが、あまり見ている人はいません。

 これまでベルギーやトルコなどの観光地でない駅に降り立ち、駅前の普通の食堂で昼飯を食べるという単純なストーリーなのですが、バックを流れる「荒野の用心棒」の曲と相まって面白い番組に仕上がっています。出川哲朗ほどではありませんが、ヒロシさんも英語があまり得意ではないので、旅先では四苦八苦します。さらにトルコやハンガリーなどでは英語が通じず、一切、何を言っているかわからないに状況に落ちいります。そうした状況でも腹は減るもので、ヒロシさんは町行く人に身振り手振りで食堂が聞きまくり、日本でも田舎の駅前にあるような汚い食堂にたどり着きます。

 もちろんこうした食堂には、観光客はこないのでしょう。メニューはすべて現地語のみで、写真などは一切ありません。隣の客が何か食べているのであれば、それと同じ物を注文できますが、いないと全くでまかせで注文することになります。通常の食レポの番組では美味しい所を取材しますし、番組に協力いただいたレストランのこともありますので、レポーターもまずいとはいえません。ところが迷宮グルメではこうした制約もありませんので、ヒロシさんもさんざんな目に会います。一方、本当においしそうな料理に当たることもあります。基本的には地元民に愛される、繁盛店に入っているようなので、もともとはうまい食堂なのでしょう。ただ味付けは現地人に合わせているので、日本人からすれば全く合わないこともあります。番組の中ではヒロシさんは平気でまずい、味がないなどと言っています。

 一方、不思議なもので、トルコの地方の駅前食堂の内部は、例えば青森県平川市や大鰐町の食堂とそっくりなのです。汚い机と椅子、使い込まれたメニュー、食器、気のいい料理人とその奥さん。安くてボリュームのある料理が出てきます。私達にとり、世界の料理と言えば、フランスの三ツ星レストランの名物料理などがテレビで出てきますが、世界にはもっと手軽な家庭料理がいっぱいあることをこの番組は教えてくれますし、確かに駅前の地元に愛される小さな食堂にこそ、その国を代表する普通の料理を食することができるのでしょう。これは全く日本でも同じです。


 BSでは、バスぶらり旅など、旅行とグルメが合体した番組が多くありますが、その中では、この迷宮グルメは、ダントツに面白番組で、是非みていただきたいと思います。それにしても海外に行って、メニューが一切わからない時の恐怖はいやなものです。漢字であれば、その字から料理のイメージを想像できますし、英語であればウエイターに聞いて何とか注文できるかもしれません。ただトルコ語で書かれたメニューで、ウエイターも英語を一切しゃべれない、おそらくアメリカ人が大鰐町、日影食堂に来た時と同じような状況は、旅行者にとってギャンブルでしょう。そして出された料理自体、あるいは中に入っている具材もわからないものを食べるのは勇気がいります。こうしたおかしさが、ヒロシさんのキャラに相まって、面白い番組に仕上がっています。ベルギーやオランダの田舎もいいのですが、インドとか中国の誰も行かないような奥地の駅前食堂、まだまだ行くところは多いと思います。是非とも地上波放送への昇格を期待します。

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